Profile

村田正望のプロフィール

 

■「世界観」のベースは幼少期にあった
私は北海道の自然の中で育ちました。
山海で遊び、縄文遺跡に触れ、絵を描き、音楽を聴き奏で、好奇心と追究心のままに、幼少期を過ごしました。いま考えると、自然の美しさへの感動が自分の「世界観」のベースになりました。

中学までは、学ぶことで自分の世界が広がり、学ぶことがとても楽しいと感じていましたが、高校では、それまで感じていた、学問の持つ「自分の世界観を広げる喜び」を感じませんでした。
その上「社会とつながる学び」を教えず、点数だけで能力を評価されることに強い疑問を感じていました。たとえば、なぜ国語を学ぶ前に古文・漢文・現代文を学ぶのか?という質問に答えられる先生はいませんでした。試験に出るからでは回答になっていません。物理学でも、法則の発見のドラマと応用する人の姿、それによる社会の変容については教えてくれません。

「そもそも」にこだわる癖のある私はどうしても「コトのはじまり」を追究してしまいます。「自分の世界観を広げる喜び」「社会とつながる学び」が感じられない学びは、本当に苦しい時間でした。

 

 

■「世界観」を大きく広げた学びと出会い
その後、いま考えてもちょっと特殊な授業でしたが、大学で教授自身のこれまでの論文、最新の論文を時系列に解説した講義を受ける機会に恵まれました。研究の競合の結果を認めながら、「そう来たのでこうやってみた」と、臨場感ある知の競争の解説付きです。それは、「そもそも」をとことん追いながら自然現象に合わせてつないでいく、今まで経験したことの無い講義でした。

この講義で、私は自然現象を心眼で楽しくイメージしながら、絵画をデッサンするように自然に数式が表現できるようになりました。そして、試験は、あなたが理解したことが伝わるように白紙に現象を書けというもの。紙は無制限に使っていいと言います。こんな楽しい試験ははじめてでした。

この講義はとにかく衝撃的でした。答えがある設問と暗記が重視される教育の中で、まだわかっていない、答えが無いものがある。この経験によって私の世界観が大きく広がりました。

そして、「そもそも」を追究することで、ものごとの根を生み出し、社会を変えている人たちがいるとわかったことは、私の社会とのつながり方に対する考え方も変えていきました。

今日もどこかで前説が覆るような発見や、発明がさまざまな分野で起きている。この世に生まれてきた以上、自分もそういうことに触れる何かがしてみたいと思い、研究というものに取り組みたいと考えました。

 

 

■「脳」の実測 ~優れた研究者との関わり~

最終的に行きついた研究室では、ICTのほか、脳の実測装置の開発などの世界最前線の研究を行っていました。私が取り組んだのはICT関係ですが、自然現象に触れる部分で大きな感動がいくつもありました。その喜びは、アートと変わらないと思います。

また、私は、実測の現場を目撃し、次々と明らかになる脳の世界について学び、このあと大変な時代になると確信しました。今後、新たな「脳の知見」からすべての学問が再発見、再編集されていくだろうと考えたからです。当然、経済へのインパクトもまた大きく、脳の理解の差は、個人、企業、団体、国力の差になると考えました。

このような中で、私が優れた研究者たちに関わる中で感じた特徴は、以下のようなものでした。

・世界でまだ誰も達成出来ていないテーマを選ぶ(高い目標設定をする)
・1つにとらわれず、領域を超えて考える思考の柔軟性と高い想像力がある
・基本をとことん考えている
・どんな困難があっても、どんな批判があっても、孤独になっても、できるまでやる
・自信と溢れる情熱を持っている
・そして、わかりやすい言葉で話す

これらは、いまでも思考と行動のDNAとなっています。

 

 

 

■学問を超え「世界観」を広げるために
その後、父が急逝し、会社経営を引き継ぐことになったため、これまでの研究とは異なる世界に身を置くことになりました。

仕事に加えて、自治体の環境条例を作る委員や、座学ではない行動実践することを主眼とした大学カリキュラムを作る委員などの経験では、さまざまな「視点」を持つことの重要性を身に染みて感じ、あらためて脳科学を活用することの大切さを痛感しました。

脳の知見は、日々の生活、仕事、活動などのあらゆる機会で実践するものです。脳を学び、観察し、発想し、行動する人としない人では人生において大きな差がつくと考えました。また、脳のしくみを知ることは、「人にしかできないこと」、「AIができること」を知るための基本中の基本です。

こうした経験の中で、未来を描く人について「脳の知見」から理解実践するため、学問を超え「世界観」を広げ実践するためのラボとして、HEARTSHEART® Laboを設立しました。

ラボでは現在、「ビジョン創造力(本質的なテーマと方向性を自分で設定する力)」をテーマとし、プログラムを開発しています。これは本質を見抜く眼に「脳」「世界観(脳を取り巻く世界)」を活用するもので、ラボ流のリベラルアーツです。

 

 

■脳と記憶と空間
いまから数年前、私が居る会社事務所を歴史的建造物として残すのか、取り壊すのかという課題に直面しました。

結局、重要だと考えるメンバーが出資して法人を立て運営することになり、私はその代表として活動しています。私はさまざまな経験の中で、歴史的建造物は、個人、社会の記憶と密接につながっていることを実感しました。保存活用の取り組みの中で、脳と記憶に関するいくつもの発見をしています。それは、いまの社会にさまざまな示唆を与えるものだと考えています。

 


 

日本認知科学会会員。東京理科大学(宇宙物理学)卒業、電気通信大学大学院修了(首席)。
IEICE young engineer award受賞、国内外特許多数取得。NICT Research Fellow、北星電機株式会社(現・北星株式会社) 取締役を経て、現在北星株式会社代表取締役。
1990年代(研究時代)、開発中の脳の測定器の体験をきっかけに、脳の正しい理解と普及、そして脳科学と教養に立脚した「創造性・発想力」を高めることを目指し、HEARTSHEART®Laboを設立。
現在、首都圏の企業を中心に、「ビジョン創造力」育成セミナー、「AI時代の発想力」育成セミナー等を展開。マツコ・デラックス「夜の巷を徘徊する」(テレ朝)で紹介。

Laboの世界観を象徴するアートとして、宇宙キャンドル®デザインし、国内、海外3カ国で販売。飛行機機内誌等に掲載。BBT大学カリキュラム委員、環境条例作成委員など歴任。
また、脳科学の観点から記憶を呼び覚ます効果を考え、歴史的建造物の保存活用を行う法人を設立。代表理事として活動し、日本遺産推進に関わる。